今回は、リノベーションを前提として中古物件を買う際、間取りでチェックすべき箇所のひとつ、「水回り」について解説します。
間取りでは、壁、水回り、窓の3点をチェックしてくださいね。
- 壊せる壁と壊せない壁を見分けること。
- 水回りの位置を詳細に把握すること
- 窓のある位置を把握すること

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水回りとは?
リノベーション において、水回りの位置は大変重要です。
水回りの位置は変えにくいです。水回りのリノベーションは価格も大部分を占めます。
水回りとは、以下の4つを指します。
- トイレ
- 洗面台
- 台所
- 洗濯機パン
要するに、排水があるところです。
給水とガスは圧力で送られてくる物なので、設置場所は比較的自由なのですが、
排水は高いところから低いところに流れるという重力の大原則に従っている物なので、
位置が変わると流れなくなってしまうことがあるのです。
「排水」の位置には要注意と覚えておいてください。
排水はの流れ着く先は、「PS(パイプシャフト)に立っている排水管」です。
最寄りのPSに向けてパイプの中を水が流れていきます。
パイプには勾配がつけられていて、流しそうめんのように流れていきます。
排水とPSの関係
排水の位置、PSの位置を図面に示してみます。
PSは図面にPSと記載される場合が多いです。記載がない場合は、壁で囲われている1m角程度の不自然な余白がPSです。
まずは、PSと排水の位置を直線で結んでみてください。
ここで、基本的に「PSと排水を結ぶ線が元よりも長くなる部分には水回りは移動できない」可能性が高いです。
「排水からPSまでの配管が長くなる」ということは、その配管の勾配が緩くなり、水が流れにくくなってしまいます。
流しそうめんの竹の長さが長くなると、そうめんが竹の途中で止まってしまうようなイメージです。
流しそうめんが止まってしまったらどうしますか?
竹を持ち上げて、高い位置から流そうとしますよね。
一般的に、水回り配管の勾配は1/50-1/100程度つけられています。1/50とは、50cm排水を流すのに、1cmの高さの差をつけているということです。
5mより遠いところに流すためには、10cm高い位置から流さなければなりません。
つまり、「PSと排水を結ぶ線を長くしたい場合には、床の高さを上げて、排水のスタート地点を持ち上げる必要がある」ということです。
10cmの床段差は住宅ではかなり邪魔です。床全体を持ち上げることも物理的には可能ですが、大きなコストがかかりますし、天井高さが全体的に低くなってしまいます。

台所・お風呂の排水のスタート地点は、床直下ではない場合がある
台所のシンクの下の扉を開けたことがありますでしょうか?
排水のパイプが見えると思います。ここが排水勾配の始まっている場所です。
なので、始まりの高さには余裕があるのです。この場合、PSにつながる配管のルートが取れれば、位置の移動が可能なのです。
お風呂の排水も同様です。
トイレ、洗濯機パンの排水のスタート地点は、床直下
一方で、トイレ、洗濯機パンは、ほぼ100%床の直下に排水が流れていきます。すなわち高さの余裕がないのです。
配管の勾配がもともとギリギリで設計されている可能性が高く、移動させるのは、台所・お風呂に比べて困難である場合が多いのです。
ポイント
・トイレ、洗濯機パンは移動が特に難しい。
・キッチン、洗面台、お風呂は移動検討できる。
まとめ
間取りで水回りをチェックする際は、
・PSの位置
・排水の位置
を必ず、図面から読み取ってください。
そして、理想の住まいの排水の位置を想像してみてください。そして、
「PSと排水を結ぶ線を長くしたい場合には、床の高さを上げる必要がある」ことをわすれないでください。
バラバラに水回りが配置されている物件はその位置を動かすことが難しく、その他の間取りの自由度が低くなってしまいます。
PSと水回りが固まって配置されている間取りが、リノベーションの自由度が高い物件であると言えます。
その①で解説した、「壊せる壁」と併せて考えると、自由にプランニングできるエリアが見えてきます。
どうでしょう、水回りが固まって配置されていると、自由にプランニングできる、黄色で塗られた部分が広いことがわかると思います。


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